変形性股関節症の原因と症状について
変形性股関節症とは、股関節の軟骨(骨と骨との間にあるクッション)がすり減ってしまうことにより、クッションを失った骨が壊れて変形をすることでおこる症状をいいます。
おもな症状としては、股関節の痛み、股関節の動く範囲が小さくなる、足を引きずって歩くなどがあります。
わが国では、先天性股関節脱臼(生まれつき股関節脱臼をおこす因子をもった子が、発育とともに股関節で脱臼をおこす)や臼蓋形成不全(股関節の発育不全)のような生まれつきの疾患をもった人が、中年期以降に変形性股関節症になる場合が大半のようです。また、男性よりも女性に多いのが特徴です。
余談ですが、先天性股関節脱臼は生まれつき股関節が脱臼しているというよりは発育とともに脱臼していくため、このごろは発育性股関節形成不全といわれるようです。
近年は高齢化が進んでいますので、それに伴い関節の老化などから変形性股関節症になる方もみられます。
変形性股関節症の治療と予防について
変形性股関節症の治療と予防については、変形してしまった骨や大幅に減ってしまった軟骨はもとには戻りませんから、股関節の負担を減らして症状を悪化させないようにすることが何より大切です。
もし痛みが非常に激しいときは、あまり足を使わないほうがよいです。また、そのような時は薬(湿布や注射、内服薬)によって痛みや炎症を抑えることが必要な場合もあります。
体重が1kg増えると股関節には3~5kgの負担がかかると言われています。ですから、体重が多めの方は体重を減らすことで股関節にかかる負担を減らすことができます。また股関節の状態がひどい方は、杖を使って股関節に体重がかかるのを減らすのもよいでしょう。
そして、加齢にともない関節の成分はどんどん体で作ることができなくなります。当整体院では、それらの成分が入ったサプリメントを膝が変形して痛いという高齢者に飲んでもらったところ、痛みが軽減したということをしばしば経験しています。なので、サプリメントは股関節にも効果が期待できると思われます。
なおサプリメントを摂取する際は、コンドロイチン、ヒアルロン酸、グルコサミン、コラーゲンなどが入っているもので、かつ信頼できるものを選びましょう。
股関節まわりの筋肉については、もし筋肉が正常に働いていなければ股関節にかかる負担を受け止めにくくなります。たとえ一生懸命に筋肉を鍛えたとしても、筋肉がひどく固まっていたり神経のはたらきが悪くなっていたりすると筋肉は本来の力を発揮すことができません。そのため、よい施術をうけて股関節まわりの筋肉を整えておくことはとても大切です。
また、股関節まわりの筋肉が整って血の巡りがよくなると、股関節の骨や軟骨にも栄養が運ばれやすくなります。
股関節の変形がすごく進んでもう治療や運動ではほとんど効果が期待できないという方は、最終手段として手術を選択されることもあります。
変形性股関節症の運動について
運動については、もし行うのであれば股関節(骨や軟骨)のダメージを考えて無理のない程度に行うのがよいです。たしかに筋肉が減って股関節の負担が増えるのはよくありません。しかし、無理をしてよけいに股関節の骨や軟骨を壊してしまったら本末転倒です。
ですので、まだ変形がそれほどひどくない人ならば負担のあまり掛からない運動を少ない回数から始めるのがよいでしょう。もし変形がひどい人は、股関節に負担がかかりにくい水中で運動や水泳を少ない回数から始めるのがお勧めです。
注意点としては、痛みがあるときは無理をしないことです。また股関節の痛みがドンドンつよくなってしまうような運動は、やり方や回数を見直すかもしくは避けたほうが無難でしょう。
ちなみに、いくら運動をしても筋肉をつくるための栄養素(タンパク質など)が体のなかで不足していたら、せっかく股関節に負担をかけて運動をしても筋肉はなかなか増えません。ですから、あまりタンパク質を摂っていない方は適度に摂るよう心がけましょう。(ただし、病気などでタンパク質の摂取を控えている方はその限りではありません)
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